「大手メディアのほとんどが、本社社屋に国有地の払い下げ」を受けている。 ここに、メディアの権力に対する癒着・妥協のもとがある」との指摘があります。
NHKの場合は、どうか? googleで「NHK、国有地払い下げ」のキーワード検索をすると、以下の記事が検索されました。 「やはり!」です。
しかし国有地の源泉は、国民の労働ではないか? それを国民だましに使うとは!
このようなシステムは、永遠にはつづきません!
国有地NHK払い下げの暗部 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/rvw/kakuei2.html
新しい放送センターの敷地は8万2500平方メートル(約2万5000坪)。そのほとんどが第1期と第2期に分割して払い下げられた。第1期は 63年3月で、約1万8000坪が17億円で国から直接NHKへ払い下げられている。
奇っ怪なのは第2期である。NHKは13億円でわざわざ千葉県稲毛の埋立地を買い、この土地と代々木の国有地を等価交換するかたちで約5900坪を手に入れたのだ。
しかも、稲毛の埋立地というのがとんでもない素性の代物だった。この土地は、千葉県が「若松築港」なる会社に埋め立てを認可したが、同社は造成のわずか3日後、6億2340円で「朝日土地興業」という会社に売却している。NHKは、同じ土地を半年後に12億9791万円で買わされたのである。
朝日土地興業とNHKの間を田中の「刎頸《ふんけい》の友」小佐野賢治の国際興業が仲介した、あるいは稲毛の埋立地は初めから実質的に小佐野賢治の所有だったというのが定説だ。この国有地払い下げを担当の大蔵大臣として仕切ったのが田中角栄である。
あまりにも露骨なこの払い下げは、さすがに当時でも問題となり、NHK関係者が国会で説明している。
筆者は国有地払い下げ工作を担当したNHK幹部に会ったことがあるが、
「大蔵省が『稲毛の土地は公務員宿舎にしたいので、土地のまま手に入るように等価交換のかたちを取ってほしい。通常の払い下げだと現金が一般会計に入ってしまい、宿舎用地を手当てするのが面倒だ』というので、NHKは頼まれた通りにしただけだ」
と、話していた。
もちろんNHKは何も知らなかったのだろう。しかし、NHKのOBの語る大蔵省の理屈は、第2回の払い下げ価格が初めの倍以上という事実の説明にはならない。
とにかく第1期払い下げの坪単価は約9万4400円、第2期払い下げの坪単価は22万850円なのだ。この差額分は、小佐野賢治のところにプールされたか、小佐野を経由して田中角栄に還流したと考えるのが自然であろう。
いうまでもないことだが、これは田中角栄の錬金術の典型的なパターンである。
まず、河川敷や埋立可能な土地、荒れ地など単価の安い土地に目をつける。これを関係する土建屋に造成させる。その後、関係会社(多くはペーパーカンパニー)間で転売を繰り返し、価格をつり上げていく。そして最後に国、自治体、誘致した公的機関などに押しつける。だから、田中や小佐野の関連会社に入る利ザヤ分は、税金からまかなわれることになる。NHKのケースでは、利ザヤを負担したのは受信料を支払う契約者だった。
こうして手に入れた資金を、田中は権力の階段を駆け上るのに使ったのである。
にもかかわらず、NHKは新放送センター用地の手当てでは田中に大変世話になったという思いが残る。田中の放送局に対する影響力がその分増大する。そして田中は、全国紙の本社土地払い下げでも同じように「尽力」する。新聞は田中には大変世話になったと感じる。すると、新聞と同じ系列の放送局に対する田中の影響力が、それだけ増大するというわけだ。
田中角栄の死去に際して、この種の話が語られることはほとんどなかったようだ。死にゆく者は誰でもとんでもない善人にされてしまうこの国の風土と、納得すべきだろうか。 いま、新生党や日本新党でリーダーと目されている政治家たちが自民党田中派に所属していた頃、稲毛の埋立地を代々木の土地とすり換えたのと同じような手法で田中が手にしたカネが、小分けにされ、盆暮れに配られていた可能性は否定できない。
新聞やテレビは、そのことを、田中角栄の死とともに忘れ去るべきなのだろうか。
NHK名古屋放送局 wikipedia