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「坂の上の雲」の主人公3人は、いずれも下級武士の出であった。
士族の人口比は約5%。 著者は、5%を対象に維新全体を描いたのだった。
司馬遼太郎は、維新(1868年以降の数年)後、日露戦争(1904~1905)までの30数年は、日本の歴史の中でもっとも楽天的な時代であったと書いている.(「坂の上の雲」一 あとがき)
また、この時代の重税・重い国権と軽い人権・足尾の鉱毒事件・女工哀史・小作争議・の暗い側面を見るのは、被害意識で見る見方であるとも書いている. (同)
作者によれば、被害者の目で見るのではなく加害者の目でみれば、「明治は楽天的な時代」であったのだ.
「降る雪や 明治は遠くなりにけり」(中村 草田男(なかむら くさたお) 1901~1983)
作者が引用している句だ. 「明治以降は暗かったが、明治は明るかった」 ─ それが、フィクションを一切禁じて、暗い側面を見ないで見た場合の、司馬遼太郎の明治維新である.
作者は、自由な考え方の持ち主であった.
自分の基準で歴史を見る、基準以外の側面を見ない、歴史を自由に見る見方、その考え方によって作品は書かれた.
NHKは、歴史と政治の現実を「自由に見て」自身の立場を守ろうとするのか?
視聴者・国民の立場と受信料は、どこにいってしまったのか?