1945年8月15日、昭和天皇は終戦のラジオ放送をおこないました。
ポツダム宣言受託を日本国民および国際社会に知らせたのです。
宣言の第6項には、以下の条件がありました。
「日本国国民ヲ欺瞞(ぎまん)シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ヅルノ過誤(かご)ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレザルベカラズ」
宣言を受け入れることは、天皇制そのものを「永久に除去すること」を受け入れることでした。 これは、昭和天皇にとっても、「軍国主義的助言者」にとっても、大問題でした。
そこで昭和天皇は、ラジオ放送において以下のように「天皇制は、残してほしい」という希望を出したのです。
「朕ハ茲ニ 國體ヲ護持シ得テ」(今、わたしは天皇制の維持を可能とすることができ)
これは、どういう意味なのか? 2つの解釈が可能です。
- 天皇と連合国、あるいはアメリカとの間に、戦後は「天皇制を存続させる」という密約があった
- 天皇は、「天皇制を存続させたい」という希望を表明し、戦後の交渉の足がかりとした
そこで、2の解釈が正しいとするべきです。
占領国の主要国アメリカは、天皇の国民に対する影響力を利用し、戦後の日本統治を進める政策から、昭和天皇の戦争責任を追求せず、天皇制の存続を決めました。
その結果、日本国憲法案には天皇の位置が「政治権力を持たない『日本国民の象徴』」として記載されました。
日本国民は、それを受け入れて日本国憲法が成立したのですから、この問題は現時点では決着しています。