新党「たちあがれ日本」と「日本創新党」は、「憲法改正」など保守的な主張が近いことから、「政策面での話し合いを始めること」になったとのことです。(NHKニュース 5月28日 5時23分)
ヒトラーのナチスは主にヨーロッパで、軍国主義の日本は主にアジアで、世界で数千万人の命を奪った第二次世界大戦、二度と戦争をしないというその反省が結果として日本国憲法となったのでした。
日本国憲法を前提として、国連加盟が認められました。
憲法は前文で、日本国民は「この理想と目的を全力で達成することを誓う」と誓っています。
「この理想と目的」とはなにか?
そのひとつが「恒久平和」です[注1]。
世界から戦争がなくなり、「恒久平和」を達成するまで、誓いと国際公約は実現されたとはいえません。 誓いと公約を実現する前に憲法を改正することは許されません。
国連加盟の前提は、サンフランシスコ条約(日本国との平和条約)の締結でした。 この条約の前提にも日本国憲法があります(サンフランシスコ講和会議での John Foster Dulles の演説[注2])。 サ条約には、戦争状態の終了(第1条)と占領の終了(第6条)は規定されていますが、条約自体の効力終了の規定はありません。
もし条約の解釈に違いがあれば、署名国は国際司法裁判所に提訴することができ、日本はそれを断らないことに同意しています(第22条「条約の解釈」[注3])。
日本が国際公約とサ条約の前提を破ることは、国際法上もゆるされません。 また、日本国民はその自覚をもつべきです。
(憲法96条の「改正」の規定は、手続きの原則の規定であり、前文と矛盾するものではなく、前文の誓いに関係する9条などは、「恒久平和」が実現された後に、国民が必要だと考えないかぎり変えてはならないものです)
[注1]: 日本国憲法前文
[注2]: 外務省条約秘書課「平和条約の締結に関する調書 VII, pp.267-284 (以下該当部分引用)
[注3]関連部分は以下のとおり:
第二十二条【条約の解釈】
この条約のいずれかの当事国が特別請求権裁判所への付託又は他の合意された方法で解決されない条約の解釈又は実施に関する紛争が生じたと認めるときは、紛争は、いずれかの紛争当事国の要請により、国際司法裁判所に決定のため付託しなければならない。日本国及びまだ国際司法裁判所規定の当事国でない連合国は、それぞれがこの条約を批准する時に、且つ、千九百四十六年十月十五日の国際連合安全保障理事会の決議に従つて、この条に掲げた性質をもつすべての紛争に関して一般的に同裁判所の管轄権を特別の合意なしに受諾する一般的宣言書を同裁判所書記に寄託するものとする。