放送法違反相当部分のNHK受信料についての有志者の支払い保留も含め、NHK・民放・スポンサーなどに改善要望を!
なぜ、九条や憲法の軽視・無視が?

◇多数党中心の選挙制度
◇多数党中心のNHKなど大手メディア

改善要望活動で、メディアと政治の民主化を!
 
放送法違反改善の要望
NHK、民放、スポンサー、BPOなどに

多数党中心、対立する論点・特定政党排除の改善を!
議席数に関係させた重点の置き方は放送法違反!
各個別番組・テーマごとに「政治的公平・論点の多角的明確化(放送法)」を!
(クリック)
憲法の軽視・無視は、どこから来るのか?
FAXで要望を! 放送倫理・番組向上機構(BPO)御中

2011年6月11日土曜日

万葉集について 2

「万葉」は「万の言の葉(よろづのことのは)」か「万世(よろづのよ)」か?

[新日本古典文学大系 万葉集一](岩波書店)の冒頭に以下の記述がある。

鎌倉時代の仙覚は、「万葉」を「ヨロズノコトノハ」(万葉集仮名序)とした(仙覚「万葉集注釈」)
契沖は、「仙覚の説をさらに詳細に述べ」「此の集万世マデモ伝ハリネト祝テ名ヅケタルカ」(契沖「万葉代匠記」[精選本])と説いた。

そして以下のように結論している。
「何何集」とは、「何何」を「集」める書物という意味である。したがって、「万葉集」は、「万葉」を「集」めたものである。「万葉」を「万世(よろづのよ)」という契沖の説は、明確に否定されるべき。ただし、「万葉」を「万世」と理解し、「万世の作品」を含意するものとした上で、万世の古(いにしえ)より伝わった歌を集めるもの、あるいは、永遠に伝わるべき不朽の名作を集めるものという解釈が、なお可能である。

ここでは、「万葉」は「よろづのことのは」と「よろづのよ」を掛けて、両方の意味を持たせて使われていると理解する。

さらに、「よろづのよ」には「万葉集」編纂以前の時代をも含み、「万葉集」は「後世を含め、身分を問わず、あらゆる時代のすぐれた歌を集め、「倭(やまと)の精神遺産」の記録としての歌集」との意味と希望をも持たせたものと理解したい。

その精神があるからこそ、巻一・巻頭歌の「雄略天皇の歌」が採用されたのではないか?

この歌の前半部分は、民謡として残っていた部分を、編者が権力者の立場を立てて「天皇」の歌の前半として掲載したが、その背景には「倭(やまと)歌」の源泉の一つである民衆に受け継がれた歌を、正当な評価と尊敬をこめて冒頭歌の前半部分に採録されたものと理解したい。

(参考: 万葉集・巻一第1歌)
巻一・第1歌(雄略天皇の作と記録されている)の前半部分は、以下のとおりである。 

籠毛與  美籠母乳
こもよ   みこもち

布久思毛與 美夫君志持
ふくしもよ   みふくしももち

此岳迩    菜採須児   家告閑    名告紗根
このおかに  なつますこ  いえのらせ  なのらさね

(この部分は、三・四、五・七、五・五、五・五の美しいリズムをもっている。 五・七の主要リズム制はとっていないが、リズム固定化の前の段階のリズムであると理解できる)