「政治的に公平な放送」の法的観点(1)
放送法では、第32条1項において「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定めている。この規定にもとづいて日本放送協会放送受信規約が定められていて、その契約条項である規約は法令に準する性格を持つことになる。
(wikipedia 「法令」から)
NHKの論点
NHKは、放送法にもとづいて放送番組の編集の基準([番組基準]日本放送協会番組基準 )を定め、これに従つて放送番組の編集をおこなっている。(番組基準・放送法第3条の3)
放送法の諸規定は、番組基準に反映していて、番組は番組基準に従って編集されているので、NHKの放送は放送法にもとづいた放送であり、したがって「政治的に公平な放送」は保障されている。
さらに、同様に放送法にもとづいて放送番組審議機関が置かれ、放送番組の適正が図られている。(審議機関・放送法第3条の4)これも、「政治的に公平な放送」が保障されるもうひとつの放送法上の条件である。
また、受信者の苦情も迅速かつ適切に処理されている。(苦情処理・放送法第12条)
このほか独立した第三者機関として放送倫理・番組向上機構(BPO)があり、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、迅速・的確に対応する機関にもNHKは出資している。
このように、NHKの「政治的に公平な放送」には二重・三重の制度上の保障がある。そもそもNHK自体が放送法の上に成立している組織であり、放送法に違反するなどということはありえない。