放送法での原則は、以下のとおり規定されている。
第1条 この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
また放送法での放送番組編集の基準は、以下のとおり規定されている。
第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
第3条の2は、第1条の具体化であると理解し、第3条の2の第1項および第3項を自明として、放送の原則を政治的公平と論点の多角的明確化の2点にまとめて表現し、使用されることがある。
さらに、上記2点をまとめて政治的に公平な放送、また単に公平な放送として包括的に使用する表現もある。
「政治的に公平な放送」の概要
放送法での原則は、以下のとおり規定されている。
第1条 この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。 1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。 2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。 3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
また放送法での放送番組編集の基準は、以下のとおり規定されている。
第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。 2.政治的に公平であること。 3.報道は事実をまげないですること。 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
第3条の2は、第1条の具体化であると理解し、第3条の2の第1項および第3項を自明として、放送の原則を政治的公平と論点の多角的明確化の2点にまとめて表現し、使用されることがある。
さらに、上記2点をまとめて政治的に公平な放送、また単に公平な放送として包括的に使用する表現もある。
法的観点
放送法では、第32条1項において「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定めている[1]。この規定にもとづいて日本放送協会放送受信規約が定められていて、その契約条項である規約は法令に準する性格を持つことになる[2]。
NHKの論点
NHKは、放送法にもとづいて放送番組の編集の基準([番組基準]日本放送協会番組基準 )を定め、これに従つて放送番組の編集をおこなっている[3]。放送法の諸規定は、番組基準に反映していて、番組は番組基準に従って編集されているので、NHKの放送は放送法にもとづいた放送であり、したがって「政治的に公平な放送」は保障されている。
さらに、同様に放送法にもとづいて放送番組審議機関が置かれ、放送番組の適正が図られている[4]。これも、「政治的に公平な放送」が保障されるもうひとつの放送法上の条件である。
また、受信者の苦情も迅速かつ適切に処理されている[5]。
このほか独立した第三者機関として放送倫理・番組向上機構があり、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、迅速・的確に対応する機関にも出資している。
このように、NHKの「政治的に公平な放送」には二重・三重の制度上の保障がある。そもそもNHK自体が放送法の上に成立している組織であり、放送法に違反するなどということはありえない。
NHKに対立する論点
受信契約の前提として、受信契約の一方の当事者であるNHKは放送法にもとづいた政治的に公平な放送をすることが求められている。これは、NHKが放送をし、受信者が受信料を支払うという双務契約において、NHKの債務となる。
一方、NHKの収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第37条により国会の承認を得なければならない[6]。このこともあり、NHKには与党・多数会派に偏り、少数会派軽視・無視の要素と傾向があり、実際の放送例もそのことを示している。
下記に例では多数党派に偏重し、少数党派が軽視・無視されている。 ・NHK 「ニュース番組」(2010年2月12日)、一部の「日曜討論」(2009年5月31日) ・フジテレビ「新報道2001」(2010年2月7日) ・日本テレビ「太田光の私が総理大臣なら・・・」(2010年1月29日) ・テレビ朝日「サンデープロジェクト・田原コーナー」(2010年2月7日)
与党・多数会派に偏り、少数会派軽視・無視の放送は、政治的に公平な放送ではなく、放送法に違反し、世論・選挙・民主主義をゆがめる。これに対して放送改善の要望も出されているが、無視される実例が多い。このこと自体放送法第12条(苦情の適切かつ迅速な処理)に違反している[7]。
「政治的に公平ではない放送」に関しては、その部分についてNHKは上記受信契約上の債務を履行していないことになる。この場合、民法第533条(同時履行の抗弁権)による「受信料支払いを拒む権利」が発生する。
同時に、改善要望の長期にわたる無視は消費者基本法[8]にもと づいて消費者としての受信者が「適切かつ迅速」な苦情処理を求める場合もありうることとなる。
しかし、憲法と放送法の民主主義の精神から、政治的に公平な放送は受信者の側が一方的に求めるものではなく、放送を送る側と受ける側が相互に協力して実現すべきものであり、双方の努力が必要とされていると理解するべきである。
脚注
1. ^ 「放送法第32条(受信契約及び受信料)」
2. ^ 「日本放送協会放送受信規約」
3. ^ 「放送法第3条の3(番組基準)」
4. ^ 「放送法第3条の4(審議機関)」
5. ^ 「放送法第12条(苦情処理)」
6. ^ 「放送法第37条(収支予算、事業計画及び資金計画)」
7. ^ 「放送法第12条(苦情処理)」
8. ^ 「第19条(苦情処理及び紛争解決の促進)」
関連項目
* 憲法
* 放送法
* 民法
* 消費者基本法
* サイト「公平な放送を!」-->