この日、吉田茂は他の5名を排除して「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(現・日米安保の前身)に署名した。
このとき、吉田茂はほかに何に署名し、何を約束したのかは明らかにしていない。 だが、彼が日米安保でメシを食べる人たちの名誉ある第1号となったことは確かである。
また、主権を売った一連の首相の第1号ともなった。 そして、秘密を墓場まで持っていった第1号ともなった。
歴史の経過から見ると、以下の合意に彼が責任をもっていることは明らかである。
- 平和条約の後も、米軍による日本の占領は残す。
- 米国は、軍事基地を日本の必要とする場所に自由に作り、存続させる。
- 核の持込みをひそかにおこなう。
- 解釈改憲により、日本に軍隊を持たす。いずれは、明文改憲をおこなう。
- 日本側は、国民に対して、以下を教育・宣伝する。 米側は、それに援助を与える。
- 日米には共通の価値観がある。
それは、「自由と民主主義」である。 - 米側は、日本の安全と世界の平和を守る。
- 日本側は、米国の対外政策に対して常に全力で賛成する。(シッポを振るか振らないかは自由とする)
- 日本政府に米国の意思を伝える影の機関を日本に共同で持つ。主な対象は、「外交・内政・報道」とする。 ただし、その費用は日本側がもつ。
- この合意に反する政治的な動きは、日本政府の責任でこれを排除する。
- この合意は、署名者以外には無期限に秘密とする。
- この合意は1951年4月28日に発効し、米側が必要と考える期間有効とする。必要な場合には、いつでも米国の提案により改定することができる。
日本側が持つ合意のオリジナルは、机の引き出しにある。
米側のオリジナルは、しかるべきところにある。