http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51651285.html (2010年03月26日)から転載

2009年末時点の「国の借金」は871兆円。
そこから借入金や政府短期証券を除いた日本国債の残高は約700兆円。
■郵便貯金
日本の借金の最大のお得意様は、郵便貯金。
金額にしてざっと150兆円。私たち日本国民1人1人が郵便局にせっせと貯金してきたお金で日本国債全体の4分の1弱を買い支えています。
■銀行
2番手は銀行。銀行預金も私たち国民の財産です。
本来、企業融資などに活用されるべき資金ですが、長く続く景気低迷、デフレにより構造的にお金の巡りが悪くなっており、結果として、私たちが銀行に預けた資金も、民間の活力にはならずに消去法的に国債購入に向かっている状況を反映しています。
■保険
生損保が約10%、簡易生命保険が約9%、私たちは保険を通して日本国債の約2割(約140兆円)を買い支えています。
■年金
公的年金・年金基金のうち、100兆円を超える金額が国債購入に充てられています。
ただでさえずさんな管理により「消えた年金」と騒がれていますが、国債が暴落すれば、本当の意味で「年金」が消えてなくなります。
■海外、家計
近年、急速に保有比率上昇が目立っているのが「海外」と「家計」です。
5年ほど昔は、海外は3%程度でしたが、財務省が海外説明会(IR)活動を積極的に行った成果が出て、海外保有者が7%へ増加しています。家計も昔は2%台と低水準でしたが、個人向け国債の積極的な販売もあり、家計の保有比率もここ5年で2倍以上に伸びています。
(転載終了)
上記の数字は、下記のデータより6ヶ月新しく更新されています。
下記データは、本サイト前々回引用のデータと同じですが、作成者が異なることから参考の意味で重複させています。
情報ソース 日本銀行 資金循環統計「2009年4~6月期確報」
上記に関する作成者(三橋貴明氏)のコメント
前回のは「生損保」と「年金基金」をまとめて「生損保」としていましたが、ちょっと乱暴なので、今回からきちんと分けることに致しました。(ちなみに、統計上はまとめて「保険・年金基金」となっています。)
民間銀行、生損保、年金基金の三つ(要は民間系金融機関)で六割を占めている状況は、特に変わっていません。また、外国人投資家(注:海外)は前回より少し落ちています(0.3%ほど)。
ちなみに、改めて言う必要もないと思いますが、この国債発行残高は「限りなく百パーセントに近い」金額が日本円建てです。
百パーセント円建て国債で、かつ94%が国内向けにも関わらず、「日本国債はデフォルトする! アルゼンチンやロシアのように!」とか、とち狂ったことを叫んでいる連中は、さすがに減ってきたようです。今度は、家計の金融資産やら貯蓄率に「目をつけ」、「いずれ国内金融機関も『買い支えられなくなる』」などと、頑張って財政破綻論を展開しているようですが。 この種の「適当」かつ「いい加減」かつ「頭の悪い」連中には、一つだけ質問したいと思います。
当サイトは、個人の金融資産の多くは預貯金・年金/保険・証券・債権などで保有されていて、その大部分が上記のように国債に転化されているので、無限に国債を発行しつづけることは難しいのは自明との立場です。
この点では、菅首相と同じ見解(赤字国債発行、2年先は無理…菅首相)です。