創世記: 英語ではGenesis. ギリシャ語名の「ゲネシス」は「誕生、創生、原因、開始、始まり、根源」の意。 紀元前13世紀ごろに、モーセが記述したと考えられている。
古代エジプトのファラオの時代、ユダヤ民族はファラオのもと、奴隷として虐げられていた ─ モーセは、新しい土地を求めて、ユダヤ民族をひきいて、エジプトから脱出する
この時代、奴隷の民族が、救い・希望を求めた思想 ─ それが旧約聖書のもととなった
この思想が新約聖書に引き継がれ、聖書全体の体系となった
奴隷の時代、あるいは支配階級に搾取される現代までつづく時代 ─ 人間に死があり、階級社会と搾取の社会環境がある限り、その解決が見出されない限り、聖書の救い・希望は意味をもつ ─ それが聖書の数千年の命の理由ではないか?
聖書では、人間社会の悪の根源・搾取について、人間が知識・知恵を得た結果であるとしている
「この実(み)・善悪の知識の実を食べてはならない」
宇宙・生命・人間を創造した神は、最初の人間アダムとエバにそう命じる
2人は、ヘビにそそのかされて、その実を食べてしまう ─ そのときから、人間は顔に汗をしなければパンを食べることができなくなり、苦痛と死を知るようになった・・・
「はじめに神は天と地を創造され」「生物と人間を創造され」そして「人間は、搾取を知るようになった」 ─ 宇宙・人間・階級社会の始まりから、現代まで社会の発展が納得のいくように説明されている・・・
3000年ぐらい前、古代エジプト時代の奴隷社会から生まれた思想、その時代にはヘーゲルもマルクスも知られていなかったが、整合性のある思想体系が作られている・・・
聖書にも解決が述べられている ─ 剣(つるぎ)を鋤(すき)に ・・・(イザヤ書2章4節・ミカ書4章3節)
搾取と貧困・戦争がなくなるまで、その思想体系も生き続けるのだろう・・・