人麻呂の時代・八世紀には情報の伝達は「口から口」か、あるいは「文字」によるものだけでした。権力者が入れ替わる権力闘争が日常的で、政治の動きが混沌としていました。
人麻呂をも含めて人々は、陰謀にもとづく支配者の交代による混乱の中にいたのです。 だからこそ、「いさよう波の ゆくへ知らずも」でした。
21世紀の現在、世界は武力超大国・米国の一国先制攻撃主義が、その不正義性と経済基盤である財政危機のために、急速に勢力を失う段階にはいっています。
WikiLeaks によって「民主主義」の隠された不正義はつぎつぎと明らかとなり、その崩壊はテンポを早めています。
この時代の特徴は、情報が電子と光の速度で、世界中に伝達されることです。
同様に金融システムは、まさにオンラインゲーム化され、その設計者たちからも法外な場代を要求し、市場の制御ができなくなっています。
この段階では、人麻呂の歌のような芸術は育ちにくいのかも知れません。せいぜいアニメとかゲームレベルのもので、カネとメディアに踊らされる程度のものです。
その中で記録されるアート(技術)とは、WikiLeaks のようなアートなのでしょうか? (イラストは Wikipedia から)