マルクスは、資本主義は16世紀に始まったといっています。
商品経済の始まりが、16世紀だったという意味でしょう。
この世紀には、コペルニクスが「地動説」を発表しました(1543年)。
ガリレオは16世紀から17世紀、ニュートンは17世紀から18世紀、ダーウィンは19世紀の人です。
哲学でのマルクスの先輩へーゲルは18世紀から19世紀、マルクスとエンゲルスは19世紀の人です。 資本主義とともに、自然科学も大きく発展したといってよいでしょう。
欧米で資本主義が隆盛期にはいったのは、19世紀でした。
日本では、明治維新まで米を主とし、貨幣を副とする封建時代でした。
その日本が福沢諭吉の思想的指導により、天皇制を利用しつつ、植民地獲得・侵略戦争の競争に参入したのは、19世紀末期でした。
日本の主な侵略の対象となった中国は、1949年に革命を達成し、新中国を建国しましたが、経済・政治体制としては、それまでを封建時代と見てよいでしょう。
その後、毛沢東の権力闘争にもとづく大きな内乱という失敗を経験しましたが、鄧小平の指導による改革開放(1978年)政策のもと、経済を世界第2位まで発展させました。
その特徴は、遅れて参入した市場経済の成功というべきでしょうか?
その遅れの故に、勢いがあることと、資本主義の弊害・欠点をよく知っているという一定の見通しのよさをもっています。 その故に、内外ともその市場経済主義を過渡的な政策・現象と見て、その行き先を注視しているのです。
この中国を一方では、敵とみなし、国内の支配体制の強化に利用する旧勢力もあり、これも注視が必要なところでしょう。