参院選の1票の格差訴訟について、共同ニュースが仙台高裁も「違憲状態」の判断を示したことを伝えています。
参院選定数訴訟では、東京高裁が11月、原告が異なる二つの訴訟の判決でそれぞれ「合憲」と「違憲」と判断。今月の広島高裁、東京高裁、広島高裁岡山支部は「違憲状態」としていました。
「違憲判断」は、いずれも「選挙は違憲状態だが、選挙結果は合憲」という矛盾したものです。 これは、与党・多数党の論点に偏ったものですが、違憲を認めたのはそれなりの「改善」ではあり、過渡的な現象というべきです。
ここには、長い目で見た歴史の発展がありますが、ある時期には歴史の発展の方が、現実の対応より早く進むことがあり、それが旧体制の混乱の中の解体につながるものです。
もちろん、現政権なり多数党側が何らかの手直しをおこなうでしょうが、それが民主主義発展の方向であることは望むとしても、現実には過去の経過からみれば、そうはならないことは予想されます。 注視しましょう。
同時に、大手メディアの報道も、社会の発展には大きな影響力を持っている以上、その責任を果たすべきです。
単に、「選挙は違憲状態、ただし結果は合憲」の裁判判断を伝えるだけでは、その状態を結果として容認することになり、「与党・多数党寄りの報道」の立場は変わりません。 それは、民主主義発展の反対の方向で利益を目指しているというべきで、残念なものです。