これが閉塞感の根源! 過去・現在・将来と日本と世界を見つめた論点が必要だか、NHKなどマスメディアは「多数党中心」で「政治的公平・論点の多角的明確化」を拒否 ・・・ これが現状!
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日本共産党・志位委員長のインタビュー「激動の世界、日本外交の転換を アメリカとアジア ─ 二つの国際会議に参加して」から(一部の要約。「しんぶん赤旗」 2011年1月1日) (6)
外交的・平和的解決というのは理想論ではない
ASEANが世界平和の一大源泉となっている
平和の流れという点では、東南アジア諸国連合(ASEAN)が大きな役割を果たしている
志位:
ICAPPに参加し、カンボジアの政権党とも会談し、ASEAN諸国の諸党とも一連の懇談をおこない、ASEANが世界平和の一大源泉になっているということを強く感じた。
いまASEANが、平和と安全保障の枠組みとして強調しているものが四つある。
- TAC(東南アジア友好協力条約)
紛争の平和的解決をすすめる条約だが、54カ国・地域に広がり、世界人口の7割が参加する巨大な潮流になっている。
その中心がASEAN。 - 東南アジア非核地帯条約
「核兵器のない世界」をつくるうえで東南アジアが先駆的役割を果たそうというもの - ARF(ASEAN地域フォーラム)
27カ国が参加する機構になっているのですが、「対話と信頼醸成」のための機構と位置づけられ、「予防外交」、「紛争の平和的解決」の機構に発展させる展望を持っている。
注目すべきは、27カ国のなかに韓国と北朝鮮も入っている。
7月のハノイでのARF閣僚会議では、韓国の哨戒艇沈没事件が問題になりましたが、平和的解決を打ち出した。 - 南シナ海行動宣言
ASEANと中国が結んでいるもの。 下記が盛り込まれている。- 南沙諸島、西沙諸島の領有をめぐり、ASEANと中国との間に紛争問題がある。
- これを平和的方法で解決する
- 武力による威嚇や武力行使に訴えない
- 無人の島嶼(とうしょ)には人員を新たに常駐させない
- 自発的に軍事演習を通告する
- 航行の自由を保障するなど
複雑な領土問題で、紛争をエスカレートさせないための行動宣言。
一言でいえば、紛争が起こっても戦争にしない。
平和的な話し合いで解決する。
そういう仕組みを重層的につくりあげていく。
そのなかに「核兵器のない世界」という問題もきちんと位置づけられている。
こうしてASEANはいま、世界平和の一大源泉となっている。
そしてASEANから平和の流れが世界中に広がっている。
たとえばTAC加入国による東アジアサミットがとりくまれている。
EUとの関係はASEM(アジア欧州会議)という対話と信頼醸成の機構がつくられている。
ラテンアメリカとの関係でもFEALAC(東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム)がつくられている。
(「中南米カリブ海でつくられる平和共同体」につづく)