中南米カリブ海でつくられる平和共同体
昨年2月、メキシコで中南米カリブ海諸国統一首脳会議が開かれ、この地域の平和の共同体の設立が宣言された。
ここには、中南米・カリブ海の33のすべての国が参加している。
すべてが参加しているというところがすごい。
そのなかには一般に「親米」とされる国もあれば、「反米」とされる国もある。 そういう区分自体がもはや適切ではない。
アメリカとの関係で自主独立の立場をとり、国連憲章を守り、紛争の平和解決をめざす、そういう立場ではどの国も同じ流れにある。
すごい流れがラテンアメリカでもいよいよ始まったなと思っていた。
3月に、中南米カリブ海諸国の駐日大使グループの朝食会に招待され、日本共産党の外交活動や日本の情勢、国際活動の焦点について講演する機会があった。
ここにもラテンアメリカの平和の地域共同の息吹が反映していた。
大使グループの会長をつとめているのは、コロンビアの大使。
コロンビアといえば一般には「親米」と区分されている。
「反米」と区分されている他の大使のみなさんともとても親しい様子。
わが党を「世界で最も強力な共産党の一つ」と紹介してくれ、私の講演となった。
ある大使は、私の講演を聞いて、「日本共産党は正直さという軸をもっています。平和、核軍縮、環境保全というわが国の姿勢は、日本の他の政党とよりも共産党と多くの共通点があります。自主独立という立場に共鳴しています」と、みんなの前で演説をする。
ある大使は、「コンパニェーロ(同志)のことを日本語で何というのですか」と質問し、「同志」というと説明すると、「同志志位」と語りかけてくる。
こういう調子で、「反米」も「親米」もなく、ラテンアメリカは一つという親愛で包まれているという印象を強く持った。