日本には、室町時代(14世紀ー16世紀 注)に、「一寸法師(いっすんぼうし)」というおとぎ話がある。
針を武器に、おわん(食器)を舟にして、はしでこいで京都にのぼった。
貴族に仕えたが、あるとき鬼に出会い、これを針でやっつける。
鬼が残した「打ち出の小槌(こづち。小さな「つち」。「つち」は木製のカナヅチのような道具。「打ち出の小槌」は、それをふれば、おカネが出たり、願いがかなう)で、身長を伸ばし、貴族の娘と結婚する
1885年ころ書かれたトルストイの「イワンのばか」という民話がある。
イワンは、兵隊には踊らせたり唄わせたりして楽しみ、金貨は女や子供にアクセサリーや玩具として与えてしまう。
やがて、イワンは「働く者だけが、食べる権利がある」という国をり、安定し豊かな国となる。
悪魔は「手で働くより、頭を使って働けば、楽にうけることができる」と高い塔の上で演説するが、聞く者がいない。
悪魔は腹が減って倒れ、階段を頭でとんとんと落ちてきてしまう。 イワンはいう。「頭で働くとは、痛いものらしい」
打ち出の小槌や、悪魔が助けてくれるのであれば、いい話なのだが ・・・
(注)室町時代(1336年-1573年): 室町時代は、鎌倉時代以前には見られない出自不明の農民・商人層の社会進出を可能とし、日本史上初めて顔が見える民衆を登場させた時代でもある。(wikipedia)