アラブ世界で民主化運動が進んでいます。
この運動は、ラテンアメリカの民主化運動につづいた、世界の民主化運動の一環であると見ることができます。
第2次世界大戦では、日・独・伊の枢軸国がナチス、日本軍国主義、ファシスト党などが、軍隊・秘密警察・国民の不満を対外侵略に向けた政策などで、推し進めた侵略戦争に対して、世界中の人々の抵抗と連合国の軍事的対抗により、これを打ち破りました。
しかし、東西対決は冷戦として残り、戦勝国・米国が軍事力と経済力で「西」の指導者として、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、アフリカ、アラブ諸国などを政治的に抑えた形の対「東」政策を進めました。
この政策には、「民主主義・自由・人権」の名前に隠れたその抑圧が本質の大きな部分を占めたものでした。
中国共産党に対する蒋介石の支援、日本の無期限の軍事基地化・戦争責任者の免罪と利用・憲法九条の敵視・皇室・マスメディア・政治・経済・司法などの管理による間接支配・ラテンアメリカの裏庭化、中東の石油支配とその拠点としてのイスラエル支持、西欧諸国の経済援助と組み合わせた政治支配、このような政策が軍事力と経済力の背景のもとに推し進められてきたのです。
しかし、キューバ、ベトナムに代表される民族の独立をかけた戦いの勝利のように、「剣によって、攻め込むものは、剣によってほろぼされる」人類と歴史の勝利が、ラテンアメリカ全体の民主化につながり、それが今、アラブ諸国に広がっています。
1990年代、ソ連・東欧諸国は、ソ連の国民抑圧と軍事対決路線により崩壊しました。 今、米国は、同じ性格の崩壊の過程を進みはじめています。
日本は、米国と同様、あるいはそれ以上のみじめな経済・政治の破綻をむかえつつあります。それは、戦後、日本が戦争責任をあいまいにし、一部グループが対米従属のもと、国民をだまして生き残りをはかった結果でした。
日本での民主化の動きは、戦後から現在までも継続しているし、これからも継続するでしょう。 その経過は、アラブ諸国とは違った形をとるにしても、大きな歴史の動きを一部グループの利益だけで変えることはできません。