NHKには、すぐれた放送が沢山ある.
BS衛星第1の今週の世界のドキュメンタリーも、そのひとつだ.
2月16日には、「シリーズ金融危機」6回の第1回が放送された.
フランスにより制作された番組だが、現在の世界のもっとも大きな問題の1つの、日本にいてはわからない数々の情報で、危機の側面がわかる. ここには、情報の国際化が実行されているという実感が強い.
世界の政治・経済・文化・社会・自然環境が、激しく動いている現在、この種の番組はより重要になって行くだろう.
もし、このような番組で世界の情勢が客観的に、正確に、広く、深く、迅速に報道されていれば、アメリカのベトナム・アフガン・イラクなどの数々の侵略戦争も、より早く、損害も軽微に収束させること、あるいは防ぐことができたかも知れない.
その意味では、放送のもつ責任は大きい.
まさに、人類社会と地球環境の将来がかかっているともいえる.
人間社会に必要な情報を供給し、人間が自己の社会の欠陥を正しく認識でき、それを改善できるきっかけとなる役割、それは放送を作り、送る側だけの責任ではなく、それを受ける側の責任でもある.
その反面、NHKのニュース、討論番組の中で見られる「政治的公平・対立する論点の多角的明確化」に反する数々の例は、NHKの古い体質のあらわれではあっても、早くなくなってほしい体質である.
この点では、放送法にしたがった部分については、当然受信料を支払いたいし、放送法に反した部分については、受信料は支払いたくない. 違反については、客観的な基準(放送法)があるので、受信料の振り分けは、単なる計算の問題だ. 早く解決したいものだ.