(放送法第1条、第3条の2を引用した上で)
こうした放送法の規定を受けて、NHKは、「国内番組基準」の記述を次のようにしています。
「日本放送協会は、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保し、豊かで、よい放送を行うことによって、公共の福祉の増進と文化の向上に最善を尽くさねばならない。」
そのうえで、
* 政治上の諸問題は公正に取り扱う。(a)
* 意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。(b)
と定めています。
以上の「国内番組基準」の説明には、以下の問題があります。
◆ (a)は、「国内番組基準」の「政治・経済」の基準です。
放送法の「政治的に公平であること」を、NHKの基準では「政治上の諸問題は公正に取り扱う」としています。
・「公平」ではなく「公正」としたことにより、国会の議席数に応じた扱いをすることで、与党・多数党重視、対立する意見・少数党の軽視・無視を正当化する根拠をつくった。 ニュースなど報道での「政治的に公平でない」現実の放送にそれが反映されている。
・「経済上の諸問題」については、「公正に取り扱う」ことを必要としていない。
◆ (b)は、NHKの基準では「論争・裁判」の基準で、「報道番組」の基準には含まれていないが、説明では(a)と(b)を並立させて、(b)が「報道番組」にも適用されるかのような解釈の余地を与えている。
NHKが、このような説明をおこなっていることは、NHKの放送が放送法にもとづいているという理解をあたえたい意図によるものと考えられます。
実際には日常の放送で、そうではない具体例をいくつもあげることができ、逆の実態を証明しています。
「視聴者の会(仮称)」は、この現状を改善し、政治と生活のゆがみを正すために活動するものです。