NHKは、以下を認めています。
◆1952年4月(注)からラジオ放送の終了時に「君が代」の放送を開始した
(注)1952年4月28日
◆その後、総合テレビと教育テレビでも「日の丸」と「君が代」の放送を行っている
その根拠は、以下のとおりであるとしています。
◆それは、講和条約が発効され日本が国際社会に復帰したのを機会に、「日本という国を認識するという素朴な気持ちから」である。
◆「日の丸」「君が代」については、長い伝統と国民の間で自然に作られた慣行から、日本を象徴するものとして親しまれており、国際的にもスポーツなど各種行事で「日の丸」掲揚や「君が代」演奏が行われるなど、国民に無理なく受け入れられていると考えるから。
このNHKの論点は、1つの論点であり、対立する重要な論点もあります。
NHKが放送法を遵守するとすれば、NHKの論点と同時に対立する論点をも放送するべきです。
実は、NHKの論点は、日本を対米従属のもとに、皇室をも利用しながら間接支配するという米国の政策にそったものでもあり、それを受け入れた与党・多数党の論点でもありました。
「講和条約」が発効した日は、密約的に調印された憲法と民主主義を否定する旧日米安保条約が発効した日でもありました。 旧日米安保条約は、米軍基地の無期限の使用容認・日本の極東の軍事基地化・警察予備隊を自衛隊化することなどを前提とするものであり、「君が代」は皇室利用によりその事実を隠す役割を客観的にになっていたものでした。
国際的には、ドイツはナチスの歌と旗の使用を犯罪としています。
日本は、NHKの貢献もあり、日本軍国主義が愛用・多用した歌と旗を「素朴な気持ちから」全国放送した、2010年の現在も放送している、という結果になっています。
結果として、NHKは憲法の思想・良心の自由を「素朴な気持ち」から無視しました。
また、放送法の「放送の自律・政治的公平」などの規定を、「素朴な気持ち」から無視しました。
「素朴な気持ち」から憲法や放送法を無視してよいという論点は、「素朴な気持ち」からは受け入れられません。
ここに、「視聴者の会」が発足し、長期・拡大的に広がって、放送の「政治的公平」を実現させることが必要である理由があります。
「会」は、NHKの「素朴な気持ち」には、憲法と放送法を軽視・無視する「素朴な気持ち」があるが、それが報道の与党・多数党偏重、対立する論点の軽視・無視の原点であると考え、それを憲法と放送法などの法律にもとづいて、正すことが可能であり、必要であると考えています。