日本では、「戦後処理をあいまいにしてきたこと」が、よく指摘されます。
「戦後処理のあいまい化」には、以下が含まれます。
- 日本の明治以来の台湾・朝鮮半島の植民地化、対東アジア侵略戦争、太平洋戦争についての「自存自衛論」
- 憲法の軽視・無視と結びついた米軍基地、密約付き日米安保・核兵器・自衛隊などの「抑止力論」
- 対立する論点を排除する「日米の価値観の共有論」(NHK解説委員)
韓国の哨戒艦沈没事件についての安保理議長声明のNHK報道では、議長声明で「北朝鮮による攻撃だと断定した韓国などの合同調査団の調査結果に言及」したことは報道しましたが、「事件とは無関係であると主張する北朝鮮など関係国の反応に留意」したことを報道していません(NHKニュース「安保理議長声明 全会一致で採択」 7月10日 4時20分)。
この報道の背景には、「拉致問題」「北の国内問題・国際行動」など、「北は悪い」という正当な評価もありますが、下記の2つの立場が指摘されます。
- 明治以来の日本の台湾と朝鮮半島の植民地化と東アジアへの侵略戦争の実績に目をふさぐ、自己正当化の立場
- 1952年から現在までつづく日本の対米従属の立場
NHKは、これら2つの立場の宣伝に一貫して努力してきた実績があります。(これと反対のすぐれた放送もあることを否定するものではありません)
その結果、「民主主義の不完全さの徹底化」「憲法の軽視・無視」「財政・年金・くらし」の危機化がどんどん進行しています。
この正当化には、現行「NHK国内番組基準」の「報道番組」の基準には、「政治的公平」などの放送法の基準がはずされていることなどが利用されていると考えられます。
これらの批判・改善要望に対して、「受信料の義務化」で対応しようとする動きがつづいていることも無視できません。
民主主義の基本の1つである「政治的に公平な放送」の実現が、ますます必要です。