イラク、インド洋、ソマリアなどへの派兵について、強弱はあっても派兵の口実につかわれています.
その論点は、2008年末までは、米国から要求され、自・公・民の各党が応えてきた論点で、解釈改憲・明文改憲の論拠の一つもとされています.
今後の米国の要求については、注視する必要がありますが、ここでは、以下の論点をご紹介します.
- 日本は、加盟にあたり国連に誓約書を提出している
- その中で、「日本の持つ全手段を用いて、国連の目的達成に協力すること」を誓約している
- 国連加盟の前提は、サンフランシスコ条約であり、その前提は、日本国憲法である
- 「日本の持つ全手段」は、日本国憲法のもとでの全手段であり、自衛隊は含まれていない
- 国連が認めた日本の加盟には、「自衛隊の貢献」は含まれていない
- 以上は、日本の国際公約でもある
- 解釈改憲による「自衛隊の国際貢献」は、国連加盟の条件に反し、日本の国際公約にも反する
- 「解釈改憲」「明文改憲」「自衛隊による国際貢献」(自・公・民、タモガミ氏など)は、「憲法遵守」「憲法の目的を達成することを誓った日本国民の誓い(憲法前文)」に反し、同時に国連に対する日本の国際公約に反する.
- サンフランシスコ条約の調印国は、49カ国であるが、その中にはキューバ、ベネズエラ、ボリビアなどのラテンアメリカ諸国や、ベトナム、フィリピンなどの東アジア諸国(注1)もあり、調印国は、日本国憲法の解釈改憲・明文改憲は、サンフランシスコ条約の解釈の問題として、国際司法裁判所に提訴することができ、日本はそれを受ける誓約書(注2)を出している.
- 上記は、日本が国連加盟国である限り有効である
放送法では、「意見の対立する問題については、できるだけ多くの論点から問題を明らかにすること」が決められています. この点でも、放送法を守ることが求められます.
注1: サンフランシスコ条約(日本国との平和条約)署国
アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ボリビア、ブラジル、カンボジア、カナダ、セイロン(→スリランカ)、チリ、コロンビア(※)、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エジプト、エルサルバドル、エチオピア、フランス、ギリシャ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、インドネシア(※)、イラン、イラク、ラオス、レバノン、リベリア、ルクセンブルク(※)、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ニカラグア、ノルウェー、パキスタン、パナマ、パラグアイ、ペルー、フィリピン、サウジアラビア、シリア、トルコ、南アフリカ連邦(→南アフリカ共和国)、イギリス、アメリカ合衆国、ウルグアイ、ベネズエラ、ベトナム国(→ベトナム共和国→ベトナム社会主義共和国)、日本
* 署名順【日本を除きABCD順に署名している】
* ※は、署名はしたが批准していない国
* →は署名後、国名が変わった国
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%92%8C%E6%9D%A1%E7%B4%84#11.E6.9D.A1.E8.A7.A3.E9.87.88)
注2: 日本国との平和条約(昭和27年条約第5号)
第六章 紛争の解決
第二十二条 この条約のいずれかの当事国が特別請求権裁判所への付託又は他の合意された方法で解決されない条約の解釈又は実施に関する紛争が生じたと認めるときは、紛争は、いずれかの紛争当事国の要請により、国際司法裁判所に決定のため付託しなければならない。日本国及びまだ国際司法裁判所規程の当事国でない連合国は、それぞれがこの条約を批准する時に、且つ、千九百四十六年十月十五日の国際連合安全保障理事会の決議に従つて、この条に掲げた性質をもつすべての紛争に関して一般的に同裁判所の管轄権を特別の合意なしに受諾する一般的宣言書を同裁判所書記に寄託するものとする。
(http://www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js27-5.htm)