社民 自衛隊関与せずなら了承(NHKオンラインより転載)
10月22日 12時49分
社民党は常任幹事会で、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための法案について、貨物検査に自衛隊を関与させずに海上保安庁が主体的に行うことや、朝鮮半島の緊張緩和に向けた外交努力に全力をあげることを条件に、法案の提出を了承する方針を決めました。
岡田外務大臣は20日の記者会見で、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための特別措置法案について、国連の安全保障理事会で決議されたものだとして、速やかに実施できるよう、26日に召集される臨時国会に提出すべきだという考えを示しました。社民党は22日の常任幹事会で、この問題への対応をめぐって意見を交わしました。その結果、▽船舶の貨物検査について、自衛隊を関与させずに海上保安庁が主体的に検査を行うことや、▽政府が朝鮮半島の非核化、緊張緩和に向けた外交努力に全力をあげることを条件に、法案の提出を了承する方針を決めました。このあと、重野幹事長は記者会見し、「自衛隊の活動が削除されれば大きな前進であり、評価できる。党内には、この時期に出すべきでないという意見もあるが、どうしても鳩山総理大臣が法案を提出したいというのであれば了となる」と述べました。
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船舶検査法案 提出へ最終調整
10月22日 12時49分
平野官房長官は午前の記者会見で、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための特別措置法案について、臨時国会への提出に向けて、自衛隊には任務に当たらせず海上保安庁で対応する方向で最終的な調整を進めていることを明らかにしました。
この中で平野官房長官は、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための特別措置法案について、「臨時国会に法案を提出するかどうか、時間はあまりないが、最終検討に入っている」と述べました。そのうえで平野官房長官は「そもそも船舶検査は、海上保安庁が行うことが基本だ。その中で、実効性が担保されるためには、どうすればよいか詰めて決めていく」と述べ、26日に召集される臨時国会への提出に向けて、自衛隊には任務に当たらせず海上保安庁で対応する方向で最終的な調整を進めていることを明らかにしました。また、平野官房長官は、記者団が「法案の提出は、北朝鮮が6か国協議への復帰の姿勢を示していることに影響があるのではないか」と質問したのに対し、「悪影響という考え方はない。国連の決議に基づいて関係国が対応することであり、日本としてもやらなければならない」と述べました。
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船舶検査法案“簡単でない”
10月22日 18時29分
政府と民主党の首脳会議の初会合が開かれ、政府が臨時国会への提出に向け最終調整を進めている、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための特別措置法案について、山岡国会対策委員長は「日程的にきつい」と述べ、成立は簡単ではないという認識を示しました。
初会合には、政府側から鳩山総理大臣と平野官房長官らが、民主党側から小沢幹事長や輿石参議院議員会長らが出席しました。この中で鳩山総理大臣が、臨時国会について、「政権発足後初めての国会で、党側の強力な支援をお願いしたい」と述べたのに対し、民主党の小沢幹事長は「国民の期待に応えられる結果を出してもらいたい。しっかり支えたい」と述べ、首脳会議を定期的に開くことを確認しました。そして、平野官房長官が、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を行うための特別措置法案について、臨時国会への提出に向け、社民党との間で最終的な調整を進めていることを報告しました。これに対し、山岡国会対策委員長は、臨時国会の会期が来月いっぱいまでであることを踏まえ、「日程的にきつく、今、提出が決まっている法案だけでも、簡単には成立させることはできない。困難な状況をわかってほしい」と述べ、成立は簡単ではないという認識を示しました。また、会議では、日本に永住する外国人に地方参政権を認める法案の取り扱いについても意見が交わされ、政府と党の双方で引き続き検討することになりました。
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産経新聞
【主張】船舶検査法 自衛隊抜きで機能するか
2009.6.17 03:09
このニュースのトピックス:自民党
国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮制裁決議を受けて、政府は北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査(臨検)を行う特別措置法を新たに制定する方針だ。
厳しい安保理決議を求めながら、現状では公海上で臨検を実施する法律がない。日本自身の法体系に穴があいている状態だ。早期成立を図ることは党派を超えた責務である。
安保理決議は、北朝鮮に大量破壊兵器の関連物資や通常兵器、ぜいたく品などが輸送されるのを防ぐため、公海上や領海内で北朝鮮船舶に貨物検査を行うことを加盟国に要請した。検査を拒まれた場合には、近くの港で検査を行うために、船舶を誘導することが義務づけられている。
政府は海上保安庁を主体とする案を検討している。政府・与党内に自衛隊の艦船を活用することへの慎重論があるためだ。海保に対して公海上での立ち入り検査などの権限を与え、武器使用基準の緩和も検討するという。
しかし、北朝鮮側が検査に同意するとは考えにくく、激しい反発も予想される。より高い抑止力を持つ護衛艦が対処せざるを得ないのではないか。米国など他国の艦船の検査活動への支援や情報収集などを行う場合でも、自衛隊を活用するしかあるまい。
自民党には自衛隊の運用を検討すべきだとの根強い意見がある。また、民主党は鳩山由紀夫代表が新法制定の必要性を認めて党内で検討に入っており、現段階で自衛隊の活用を否定していない。
麻生太郎首相は海保主体の方針にとらわれず、民主党に協力を求めてはどうか。
一方、政府は北朝鮮への輸出の全面禁止など新たな独自制裁を閣議決定した。再入国禁止の対象として、すでに実施している制裁措置に違反して刑が確定した在日外国人を加えたが、これでは十分とはいえない。
在日朝鮮人の核・ミサイル技術者が、ロシアなど第三国経由で北朝鮮を行き来していることが指摘されている。人、モノを通じた技術流出を深刻に受け止め、さらに厳しい措置を検討すべきだ。
制裁決議に対し、北朝鮮は「新たに抽出されるすべてのプルトニウムの武器化」や「ウラン濃縮作業の着手」に言及し、対決姿勢を見せた。まったく受け入れられない。国際社会は結束して制裁の着実な実施を図る必要がある。
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産経ニュース
【北制裁】共産は貨物特措法案に反対 志位委員長「新法は必要ない」
2009.7.9 22:17
このニュースのトピックス:諸政党
共産党の志位和夫委員長は9日、北朝鮮貨物検査特別措置法案に反対する考えを表明した。
国連安全保障理事会決議が、北朝鮮出入り貨物の検査を各国への「要請」にとどめたことを念頭に、「日本は北朝鮮に対する全面禁輸や船舶入港禁止により、安保理決議が義務付けた制裁措置は既にやっている。新しい法律は必要ない」と強調した。
国会内で記者団に述べた。
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日経ネット
貨物検査法案、臨時国会に提出へ 官房長官が意向
平野博文官房長官は22日午前の記者会見で、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査をしやすくする特別措置法案について「この問題をやらなければならないという判断の中で、中身を最終検討していく」と述べ、26日召集の臨時国会に提出する意向を示した。検査の実施主体は「海上保安庁が基本だ」とも語った。
社民党は22日午前の常任幹事会で、貨物検査法案を臨時国会に提出する政府方針を基本的に了承することを決めた。法案に自衛隊の関与を明記しないことを評価した。会議では、来週にも米朝協議が行われる予定であることなどを受けて、同法が今後の朝鮮半島情勢に及ぼす影響を懸念する意見も出た。(13:01)
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北の貨物検査法案が成立へ、「自衛隊関与」盛らず
特集 北朝鮮
政府は22日、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を実行するための北朝鮮貨物検査特別措置法案を、26日召集の臨時国会に提出する方針を固めた。
この国会で成立する見通しだ。社民党の慎重論などを踏まえて提出を見送る考えだったが、北朝鮮に融和的だと受け止められることを懸念し、方針を転換した。ただ、社民党に配慮し、北朝鮮に出入りする船舶の検査は海上保安庁を主体に行うこととし、自衛隊が関与できるとする規定は盛り込まない。
社民党は22日午前の常任幹事会で法案の扱いを協議し、対応を福島党首(消費者相)に一任した。提出されれば賛成する方針だ。
政府が当初、提出を見送る方針だったため、早期成立を求める自民党は議員立法による法案提出の構えを見せていた。こうした事態を受け、岡田外相が「安保理の決定を粛々と実行するために必要な法案だ」と早期提出を主張していた。
麻生前内閣が先の通常国会に提出した貨物検査特措法案は、海保だけで対応が困難な場合は、現行の自衛隊法82条の海上警備行動に基づき、海上自衛隊艦船の出動も可能としていた。
(2009年10月22日11時47分 読売新聞)
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政府・民主首脳会議:貨物検査法案など…足並みそろわず
政府・民主党首脳会議に臨む(右手前から)菅直人副総理兼国家戦略担当相、鳩山由紀夫首相、平野博文官房長官と、(左手前から)民主党の輿石東参院議員会長、小沢一郎幹事長、山岡賢次国対委員長=首相官邸で2009年10月22日午後4時3分、藤井太郎撮影
政府・民主党首脳会議に臨む(右手前から)菅直人副総理兼国家戦略担当相、鳩山由紀夫首相、平野博文官房長官と、(左手前から)民主党の輿石東参院議員会長、小沢一郎幹事長、山岡賢次国対委員長=首相官邸で2009年10月22日午後4時3分、藤井太郎撮影
22日、政府、民主党双方から鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長らが首相官邸に集まり、初めての政府・民主党首脳会議を開いた。政府は26日召集の臨時国会に、北朝鮮に出入りする船舶などの貨物を検査するための貨物検査特別措置法案を提出する方針を伝えたのに対し、党側は36日間と短い国会会期を理由に、法案成立は難しいとの認識を伝えた。首脳会議は今後、定例化されるが、法案処理を巡る双方の温度差は否めず、貨物検査特措法案に関しては、提出見送り論も出始めた。
国会召集日を巡り、政府と民主党はさや当てを演じた経緯がある。このため政府側が、両者の足並みをそろえる目的で首脳会議を呼び掛けた。この日は政府側から、鳩山首相と菅直人副総理兼国家戦略担当相、平野博文官房長官が出席し、民主党の方は小沢氏や輿石東参院議員会長、山岡賢次国対委員長が顔をそろえた。遅れて部屋に入った鳩山首相に対し、小沢氏は椅子から立ち上がって笑顔で迎えた。
ただ、具体的な協議となると、22日も双方の呼吸は合わないまま。貨物検査特措法案について平野氏が「(臨時国会での)提出を検討している」と表明したのに対し、山岡氏は「次から次へとやりたい法案が出てくるが、非常に難しい状況だ。臨時国会で仕上げるのは、一般論的に極めて難しい」と述べ、政府側にクギを刺した。
一方、永住外国人に地方参政権を付与する法案では、政府と民主党の姿勢が逆転した。推進論者の小沢氏の意向を踏まえ、山岡氏が「対応を考えていただきたい」と要請したものの、鳩山首相は22日夜、首相官邸で記者団に「法案の準備ができあがっている状況ではない。次の国会では難しいのではないか」と述べるにとどめた。
政府と民主党だけの首脳会議は、連立与党内にも波紋を広げている。社民党の重野安正幹事長は22日の記者会見で、会議開催を尋ねる質問に対し「全然、聞いていない」と驚いた。与党内で存在感を高めたい社民党は、政府側に定期会合を開くよう申し入れてきただけに、党内からは「会議の趣旨を平野氏に確かめたい」(幹部)との不満も漏れる。【近藤大介、太田誠一】
毎日新聞 2009年10月22日 21時42分(最終更新 10月22日 23時23分)
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