NHKニュース
10月14日 18時20分
国の省庁などが所管する公益法人に設けられた145の基金を、会計検査院が調べたところ、国が出した補助金の総額が1兆円を超えていることがわかりました。一部には、1年間の事業で支出した費用の50倍を超える基金もあり、会計検査院は、基金の規模について検討するよう求めました。
会計検査院の調べによりますと、国の省庁などが所管する公益法人に、補助金を出して設けた基金の数は、ことし3月の時点であわせて145あり、補助金の総額は、1兆191億円に上っています。このうち、国が所管する公益法人の110の基金を分析したところ、1年間の事業で、支出した費用の50倍を超える基金が19あったほか、支出した費用が、ピーク時の30%未満にとどまっている基金が27ありました。これらに該当する基金に国が出した補助金の総額は、1200億円余りとなっています。また、農林水産省が所管する「海外漁業協力財団」は、基金の一部を国に返還する際に、国債の売却方法に問題があり、15億円の損失を出したほか、厚生労働省が所管する「国民健康保険中央会」では、債券の価格が下落した影響で、資産が9億円分目減りするなど、基金の運営に問題があるケースも見つかりました。さらに、事業が終わる前に、余った資金を国に返す規定を設けていない基金が、半数を超えていたということです。会計検査院は、事業の実績を踏まえて基金の規模を検討するとともに、基金の使い方や返還方法について見直しを進めるよう求めました。