歴史番組:市民がNHKに要望書 自民議員の批判に抗議
日本による台湾統治を取り上げたNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の「第1回アジアの“一等国”」(4月5日放送)に対し、偏向番組などと自民党国会議員らから批判が出ている問題で、市民団体「開かれたNHKをめざす全国連絡会」(世話人、松田浩・元立命館大教授ら4人)は7日、福地茂雄・NHK会長らに「威嚇的な動きが強まっている。公共放送の自主・自立と自律を守る正念場だ。放送の自由の守り手として責務を果たすよう要望する」とした文書を提出した。経営委員会にも、小林英明委員が番組を放送法違反だとした発言について「批判を超えた政治的圧力だ」との抗議文書を出した。
また、日本ジャーナリスト会議(JCJ)も同日、一部メディアが取り上げた論者による番組批判について、「表現の自由そのものに対する恫喝(どうかつ)と干渉に当たる。ただちに中止するべきだ」とする見解を発表した。
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毎日新聞 2009年7月7日 21時04分
(参考)
NHKは毅然とした姿勢を 台湾めぐる番組で連絡会
4月5日放送の「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー第1回アジアの一等国」について、醍醐聡東大大学院教授ら有識者でつくる「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は7日、「不当な圧力に毅然とした姿勢を貫いてほしい」とする要望書をNHKに提出した。
連絡会は要望書で、日本統治下の台湾を取り上げた同番組について「新資料に基づいて植民地支配の全体像に迫った」と評価。内容を検証する議員連盟を発足させた自民党議員らを「番組への干渉を禁じた放送法に違反する疑いがある」と批判した。
番組をめぐっては「事実を捏造した」として視聴者ら約8千人が先月、NHKに損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
2009/07/08 01:02 【共同通信】