BPOは、NHKの放送には「公共放送の自主・自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為」があることを指摘しました.
どうしてそのようなことが起きるのでしょうか?
NHKの収支予算、事業計画及び資金計画案は、経営委員会が作成し、国会の承認を得ることになっています(放送法第37条). 12人の経営委員は、内閣総理大臣が、両議院の同意を得て、任命します(同16条).
ここに、政府与党・多数党は、NHKをコントロールしやすく、同時にNHKは政府与党・多数党にかたよる下地があります.(民放テレビ局も事業免許制ですから、同様の現象が起こります)
しかし、放送法は、「放送の不偏不党、真実及び自律の保障(放送法第1条)」を規定しているのですから、NHKが政府与党・多数党にかたよることは、誤りです.
一方、NHKの放送には「公共放送の自主・自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為」があることをBPOが認めた現在、また国民生活が耐え難いところまで押し込められた現在、放送を含む報道を正常化し、政治と経済・社会の仕組みを正常化しなければ、国民の生活が成り立って行かないところまできています.
2009年現在、年金や財政が危機化し、国民生活が危機に直面している原因の一つには、NHKを含む放送や報道が、政府与党にかたより、政府批判の報道が正常な形でおこなわれず、世論・選挙がゆがめられてきたこともあげられます.
憲法・放送法・民法を味方にしながら、放送を改善して行くことが必要です. 以下に、どのような改善が必要かを見てみましょう.
(つづく)