外交・安保での論戦 熱帯びる
NHKオンラインから (2009年8月16日 4時14分更新)
衆議院選挙の投票日まで2週間となり、インド洋での海上自衛隊による給油活動について、与党側が「民主党の立場が不明確になっている」と批判しているのに対し、民主党は、継続性も踏まえ現実的な対応をとると反論し、外交・安全保障政策をめぐる論戦が熱を帯びてきています。
外交・安全保障政策について、
(自民党)自民党は、前の国会で実現しなかった、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査のための法整備を行うとともに、インド洋での海上自衛隊による給油活動やソマリア沖での海賊対策を継続すると訴えています。麻生総理大臣は「貨物検査のための法整備で、民主党は法案審議に応じず、廃案にしてしまった。民主党は、給油活動の継続や海賊対策にも反対したが、選挙が近づき立場が突然、不明確になっている。国の安全保障の根幹がフラフラしている政党に日本の安全を任せるのは難しい」と批判しました。
(民主党)これに対し民主党は、「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる」としています。鳩山代表は「貨物検査のための法整備は、われわれが政権を獲っても進める。給油活動は単純に延長することは考えていない」と述べ、法律の期限が切れる来年1月以降、そのまま給油活動を続けることに否定的な考えを示したうえで、「外交と安全保障は、政権を獲ってすぐにすべてを変える発想は持っていない。継続性も踏まえ現実的な対応をしていく」と反論するなど論戦が熱を帯びてきています。
(公明党)公明党は、自民党と同じくインド洋での給油活動を引き続き行うとしており、太田代表はさきに「給油活動について民主党は方針転換し、しばらくそのままにしておくと言っているが、では、去年とおととし、大反対したのは何だったのかと言いたい」と述べました。
(共産党)共産党は、日米同盟偏重から脱し、憲法9条を生かす自主自立の平和外交を実現すべきだとしており、志位委員長は「インド洋での給油活動の延長は、憲法違反の道を突き進み、日米軍事同盟の強化を図るものであり、認められない」としています。
(社民党)社民党は、非核3原則を厳守するとともに、自衛隊は専守防衛のための必要最小限の組織にするとしており、福島党首は「インド洋での給油活動はすぐに撤退すべきであり、この問題や非核3原則の法制化について強く訴えていく」と述べています。
(国民新党)国民新党は、在日アメリカ軍の再編計画の見直しなどに向け、新たな日米関係を追求するとしており、亀井静香代表代行は「日米関係は大事な関係だが、アメリカの勝手にはさせず、日米間で戦略をきちんと協議すべきだ」としています。